📄 国際会議 IEEE S&P 2026 で研究成果を発表

PILOT: Command-line Interface Fuzzing via Path-Guided, Iterative Large Language Model Prompting

2026年5月19日に米国サンフランシスコで開催された 第47回 IEEE Symposium on Security and Privacy(IEEE S&P 2026)において、品川研究室出身の白石桃子さんが “PILOT: Command-line Interface Fuzzing via Path-guided, Iterative Large Language Model Prompting” というタイトルで研究成果を発表しました。

本論文では、コマンドラインインタフェース(CLI)プログラムの脆弱性を効率的に発見するための新しい fuzzing 手法 PILOT (Path-guided, Iterative LLM-Orchestrated Testing) を提案しています。CLI プログラムでは、特定のコマンドラインオプションの組み合わせや構造を持つ入力ファイルを与えないとプログラム内部の深いコードに到達できないことが多く、既存の fuzzing 手法では脆弱性を発見することが困難でした。PILOT は、大規模言語モデル(LLM)と静的解析によって得られるプログラムの呼び出し経路情報を利用して意味的に妥当なコマンドラインオプションと入力ファイルを生成し、カバレッジ情報を用いてそれらを反復的に改善することで、従来手法では到達困難だったコード領域の探索を可能にします。

評価では、43 個の実世界の CLI プログラムに対して実験を行い、1 件の未知の脆弱性(zero-day vulnerabilities)を発見しました。そのうち 41 件が開発者によって確認され、33 件が修正済みであり、さらに 3 件には CVE が割り当てられています。

本研究は、ジョンズ・ホプキンズ大学の Yinzhi Cao 准教授との国際共同研究として実施されました。Cao 准教授のグループはソフトウェアセキュリティやプログラム解析の分野で先端的な研究を行っており、本研究でも脆弱性発見技術の設計と評価において共同研究を行いました。

IEEE Symposium on Security and Privacy(IEEE S&P)は、コンピュータセキュリティ分野における最も権威ある国際会議の一つであり、USENIX Security、ACM CCS、NDSS と並んで「セキュリティ分野の四大会議(Big Four)」の一つとされています。2026年は全体で 1,995 件の投稿のうち 253 件が採択され、採択率は12.68% でした。

IEEE S&P Data