📄 ソフトウェアエンジニアリング分野のトップ国際会議 ICSE 2026 に論文が採択!

SmartC2Rust: Iterative, Feedback-Driven C-to-Rust Translation via Large Language Models for Safety and Equivalence

品川研究室の白石桃子さん(博士課程4年)の論文が、2026年4月にリオデジャネイロで開催される国際会議 IEEE/ACM International Conference on Software Engineering に採択されました。

本論文では、Large Language Models (LLMs) を用いて数千行規模の C 言語プログラムを Rust に自動変換する手法 SmartC2Rust を提案しています。既存手法では、LLM のコンテキストウィンドウの制限や出力の非一貫性により、コンパイルエラーや unsafe の残存、C コードとの意味的不整合といった問題が生じていました。SmartC2Rust は、元の C コードを適切な単位に分割し、LLM からのフィードバックを用いて翻訳結果を反復的に改善することで、意味的に等価で安全な Rust コード変換を実現します。

既存の C 言語プログラムを Rust へ自動変換可能にすることで、C 言語におけるメモリ安全性の問題によって生じるセキュリティ課題を根本的に解決することが可能になります。

本研究は、ジョンズ・ホプキンズ大学の Yinzhi Cao 准教授との国際共同研究として実施されました。Cao 准教授のグループはプログラム解析やソフトウェアセキュリティの分野で先端的な研究を行っており、本研究でも言語変換における安全性と自動化の観点で共同研究を行いました。

ICSE はソフトウェアエンジニアリング分野におけるトップカンファレンスで、CORE Conference Rankings では A* ランク、Google Scholar Metrics では h5-index が 98 で Software Systems 分野における No.1 に位置付けられています。ICSE 2026 の Cycle 1 には 660 件の投稿があり、直接 accept された 60 件に加え、major revisions に進んだ 107 件のうち 100 件が採択されました。したがって、最終的な採択率は 24.2% (160/660) でした。

ICSE データ