UTokyoGSC-Next で高校生の研究指導を開始

実機を用いた GbHammer 攻撃の危険性評価に関する研究

UTokyoGSC-Next において高校生1名の研究指導を開始しました

UTokyoGSC-Next は、東京大学が高校生向けに実施している人材育成プログラムで、未来社会をデザインできる革新的な科学技術人材を育成することを目指したものです。本プログラムは3段階で構成されており、第二段階では全国の応募者から選ばれた受講生約60名がSTEAM型ワークショップ等を通して研究計画を練り、第三段階においては中間選考・二次選抜を通過した約20名の受講生が東京大学の研究室にて自ら研究活動を実施します。
https://gsc.iis.u-tokyo.ac.jp/gsc-next

UTokyoGSC とは、東京大学グローバルサイエンスキャンパスのことで、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が2019年度〜2022年度に実施していたグローバルサイエンスキャンパス事業の一環として実施していたプログラムです。グローバルサイエンスキャンパスとは、将来グローバルに活躍し得る傑出した科学技術人材を育成することを目的として、地域で卓越した意欲・能力を有する高校生等を募集・選抜し、国際的な活動を含む高度で体系的なプログラムの開発・実施等を支援するプログラムです。
https://www.jst.go.jp/cpse/gsc/

UTokyoGSC-Next は、UTokyoGSC の後継として、JSTの「次世代科学技術チャレンジプログラム(STELLAプログラム)」事業に採択されて実施しているものです。
https://www.jst.go.jp/cpse/stella/

今回、2024年度の第三段階(五期生)として選ばれた受講生の一人が品川研究室での受け入れを希望して、「実機を用いた GbHammer 攻撃の危険性評価」という研究テーマで研究を実施することになりました。
https://gsc.iis.u-tokyo.ac.jp/system#laboratory_list

本研究は、受講生が新たに考案した攻撃手法である GbHammer という攻撃に関するものです。 GbHammer とは、Rawhammer というハードウェア的にメモリを不正に書き換える攻撃を応用して、ページテーブルの global bit を反転させることで、攻撃者と被攻撃者のプロセスで不正にページを共有させる攻撃です。
http://id.nii.ac.jp/1001/00227040/

本研究では、GbHammer の危険性を評価するために、実機上でハイパーバイザを用いて GbHammer 攻撃を擬似的に再現することにより、実際のプロセッサにおけるメモリ関連の挙動を踏まえた実験を可能にして、より現実性の高い評価実験を可能にするとともに、本攻撃に対する緩和策を検討することを目的としています。